ヤマシロヤ模型製作Webコラム『オオゴシ*トモエのEnjoy Hobby!』はホビーの楽しさ、プラモデル作りの面白さを紹介するコラムです。みなさんもじょいほび!と一緒に楽しい模型ライフをはじめませんか?
【悪役1号編第2回 悪役1号の塗装計画&塗装をしよう!の巻】
TEXT BY オオゴシ*トモエ
 
みなさんこんにちは!オオゴシ*トモエです。


今回は組み立てた悪役1号の塗装計画、
そして、エアブラシを使って塗装を行います。

って、アレ?ウィングガンダムゼロカスタムの時は、
塗装までにかなり時間がかかったような気がしますが、
悪役1号はもう塗装なの?!と、
じょいほび!読者のみなさんは
さぞビックリされていることでしょう。

そうなんです。もう塗装なんです。はやー!
戦車模型は表面処理の作業がほぼないので、
塗装までめちゃくちゃスムーズなのです。

悪役1号をじょいほび!色に染めます。
 

塗装計画を立てよう!

ガンプラ製作の際にも行った作業計画ですが、もちろん今回も行います。


作品の情報を集めたり、説明書やパッケージ写真などを見ながら、どんな作品にするのかを考えていきます。

戦車模型は、ほとんどの場合実物が存在するので、説明書設定画以外にも、本物の戦車の資料などを参考に製作します。

しかし、悪役1号は戦車のキャラクターキットと特殊ですよね。そこで、他の戦車模型や実物の資料も参考にしつつ、できるかぎりの情報を集めていきます。
宮崎駿の雑想ノート
大日本絵画
定価 2,800円(税込)
『宮崎駿の雑想ノート』を読みながら、イメージを膨らませます。

そのほか、下記の悪役1号の作例が掲載されている模型雑誌なども参考にします。家の本棚からモゾモゾ引っ張り出してきました。


月刊アーマーモデリング 2005年10月号
大日本絵画
定価1680円(税込)

月刊ホビージャパン 2005年10月号
Hobby Japan
定価780円(税込)
バックナンバーについては各雑誌のサイトをご覧ください。
月刊アーマーモデリング2005年9月号にも悪役1号の作例が掲載されています。


悪役1号の資料や雑誌作例などを参考にして、迷彩塗装を行うことに決めました。

肝心のカラーリングはというと…実ははじめての迷彩塗装をするのでスタンダードな色を塗ろうと思っていたのですが、スタッフさんからこんな提案が!

せっかくだからそのまま塗装してもつまらないでしょ?じょいほび!っぽいカラーリングにしましょうよー!


Σ( ̄□ ̄;)チョット、いままで集めた資料が役に立たないじゃん!じょいほび!ぽいとか、欲張りになってきてない?!ヘンな色になっちゃったらどうするのさー!という言葉をぐっと飲み込んで塗料を選びます。
はじめて戦車を塗装するのに、のっけからこんなに遊んでいいのでしょうか?という少しの罪悪感と、好きな色で塗っていいのね!という喜びが入り混じった、複雑な気持ちで塗料コーナーの前に立つオオゴシ。玉さんにもアドバイスをいただきながら、色を選んでいきます。

塗料を組み合わせては、イメージを固めていきます。
赤系?ピンク系?なんて案も出たのですが、都市迷彩っぽい青の迷彩なんてどうだろう?とセレクトした色がこちらです。


GSIクレオス Mr.カラーの74番エアスペリオリティブルー、
322番のフタロシアニンブルー、333番のエクストラダークシーグレーです。この3色で塗装していきます。

自由に作っていいの。
だってじょいほびだモン!


ということで、紆余曲折ありましたが作業に入ります。

写真は、作業公開2日、
(約8時間)で組み立てた悪役1号です。
組み立ての様子は悪役1号コラム第1回を参照。

まず塗装しやすいようにパーツをバラバラにします。
ガンプラのようにスナップフィットではないので、分割できる箇所が限られていますが、塗料がきちんと全体にまわる様に、できるかぎり細かく分けてもち手につけます。


塗りわけがキャタピラくらいしかないので、楽っちゃぁ楽なんですが、凹凸が結構あるので、戦車模型経験のないオオゴシは、ちゃんと塗れるのかドキドキです。


ああ、戦車模型のカミサマ、
どうか失敗なく塗れますように!


さ、塗装しよ。と思ったら、マスキングを忘れていました…。







塗装の前にマスキング


玉さん「ここの窓の部分、マスキングしたほうがいいですよね」

オオゴシ「あ…い、いまやろうと思っていたんです!(言い訳)」

悪役1号にはクリアパーツが数箇所あり、先に組み立ててしまったのでマスキングしたほうがよい箇所があったのでした。

ということでいざ、マスキング。
ちいさな丸い窓をマスキングテープでマスキングするのは面倒ですよね。

ナマケ心がムクムクと湧いてきて、
何か楽にマスキングできる方法ないかなー?と店内を物色。



マスキングに使えそうな丸いものに過剰反応しています。

丸いシールとか、マスキングテープにパンチで穴をあけてみたりとか、いろいろなものを試してみたのですが…

結局ちょうどよいサイズのものがなく、地道にマスキングしたほうが早かったね、というなんともトホホな結果に。
 
 


マスキングテープを窓部分に貼っていきます。


このとき、ツマヨウジなどで窓の形の跡をしっかりつけます。


マスキングテープが浮いていると、塗料が隙間から入ってきてしまったり、カットする時にガタガタになってしまったり、失敗の元になります。


あまり強く押すと、接着した窓が内側に外れてしまう可能性があるので、ここは慎重に。
デザインナイフを使って、
窓の形にカットしていきます。


きれいに丸くカットするのって、
結構難しいですよね。
ふちの部分がどうしてもカクカクしてしまったり…。


何度かやり直して、
全部の窓をマスキングしました。

マスキング完了。
窓以外にもライトなどもクリアパーツなので、同じくマスキングしました。


と、このじょいほび!の作業のときはこんなに苦労をしたのですが…


実はオオゴシ、月刊アーマーモデリング誌での連載『オオゴシ*トモエの戦車模型もいかがですか?』でも、同じ悪役1号を製作してまして、この作業のすぐ後にもう一台悪役1号を製作していたのです。

何度も同じものを組み立てることって、なかなかないかもしれませんが、ワタクシこれで悪役組み立てるの3台目です。
 
 

じょいほび!の製作での教訓を活かし、組み立て前マスキングゾルを使用して窓部分を事前マスキング。

結果は…こっちのほうが断然、楽でした。


これから悪役1号を組み立てる方はこの方法をオススメします。


いよいよ塗装開始です。

ガンプラと違い、パーツが大きいので割り箸の持ち手以外にも、使用済みの缶スプレーの缶なども使用します。


下の写真のように、缶スプレーのフタに両面テープを貼って、パーツを固定します。
このほうが安定します。

最初は全体に、ベースとなる薄い青を塗装します。


まずは見えない部分に試し吹き


今だかつて誰も見たことがないであろう、
青い悪役1号に塗っていきます。ドキドキ。


成型色を隠蔽できるか不安だったのですが、グレーっぽい青だったので、ちゃんと発色してくれました。これならサーフェイサーを吹かなくてもよさそう。

サーフェイサーについてはこちらをご覧ください。
 
 


塗料の濃度は薄め液で3倍程度に希釈。
エアブラシはパーツから5センチ〜10センチほどの距離で塗装していきます。

エアブラシの使い方などは、
こちらこちらをご覧ください。


1回目の塗装では、細吹きでパーツのミゾや、凹凸などの塗料が乗りにくい部分を中心に。

2回目の塗装で全体
に、という感じで何回かに分けて、パーツをしっかり乾燥させつつ塗装していきます。
 
 





この日の作業は、マスキングと薄い青色の塗装で終了時間が来てしまいました。


まだ少し塗りムラがあるので、乾燥させた後、次回の作業公開日に塗装の仕上げを行うことにしました。



 


☆☆そして2週間後☆☆



塗装のつづきを行います。ベースの薄い青の仕上げを行います。


かなり作業が進んでいたので、あと1回か2回くらい吹き重ねれば作業完了…かな?


多少ムラがあっても、この後迷彩塗装をするのでそんなに目立たないのですが、やっぱりきれいに仕上げたいので、納得いくまで塗装します。


最後にパーツをチェックして、ベースの色の塗装は完了です。



世にもめずらしい、あわーい青色の戦車…
この後塗装する青とは、色的にはよい組み合わせだと思うのですが、今まで見たことがないので、ホントにこれでいいのか、内心かなり不安でした。

模型では何色で塗らなくちゃいけない!なんて決まりはないんだし、自由にしちゃっていいんだと自分に言い聞かせ、作業に没頭します。


キャタピラ部分は割り箸の持ち手ではなく、
このように缶スプレーのフタを三つ並べた状態で塗装しました。

キャタピラの長さにピッタリで塗装しやすかったです。

パーツの形状に合わせて、身の回りのものを有効活用しつつ作業をスムーズ進めましょう。

迷彩塗装にチャレンジです


さて、ベースの色が塗れたら、次は迷彩塗装を行います。キャタピラを塗った後に、エアブラシのカップに残っていた塗料で迷彩の練習。


こんな感じ…?うーん、こうかな?などとブツブツつぶやきながらメモ用紙に模様を描き続けるオオゴシ。


あやしいですね。
 
 
迷彩模様を研究するため、ヤマシロヤ店内の戦車のプラモデルのパッケージや、ショーケースの完成見本などを眺めたり、本を読んで真似してみました。


手前右側が最初の頃の迷彩。
何がしたいのかさっぱりわかりませんね。

その後、塗料がなくなり本番用の青い塗料で練習することに…。

苦戦してますね。

ウン、だいぶつかめてきた…迷彩塗装本番に入ります。

塗料の濃度の調整をします。
迷彩塗装では、細吹きで模様を描いていくので、この濃度を調節するのが苦労しました。


薄すぎると流れてしまい、濃すぎるとボツボツした感じになってしまい、仕上がりが美しくありません。



塗料の状態にもよるのですが、下の写真のように目立たない場所に吹いてみて、適正な濃度を探っていきます。

大体3倍くらいに薄め塗装します。


車体の底の目立たない場所で迷彩の練習。


紙と違って、塗料がしみこまないので、流れてしまわないよう注意します。


模様を書いたり、ベースの青との色をバランスを見たり、迷彩塗装の感覚をつかんでいきます。
 

いざ、本番スタート!


迷彩塗装をする際のポイントは、

全体を組み立てて塗装すること

迷彩模様の間隔を同じにすること です。

最初パーツをバラバラに塗装していたら、アーマーモデリングスパーバイザーの土居さんに組み立てたほうがよいとのアドバイスをいただきました。


全体を組み立てて塗装したほうが、全体のバランスも分かりやすく、迷彩模様のつながりが自然になります。
 
 

一点に集中しやすい迷彩塗装では、塗りはじめと塗り終わりの迷彩の間隔が変わってしまうことが!


オオゴシの悪役1号も実は最初と最後の迷彩模様の間隔が若干違っていたりします。

これを防ぐためには、他のパーツの迷彩を見てこまめに確認するようにします。

あ、ちょっと間隔が詰まっているとか、間隔が広がりすぎちゃってる、とか意識すると、同じ間隔で塗装することができます。


模様はいろいろありますが、今回やった迷彩では、地図の模様なんかを思い浮かべながら模様を描いてみました。とにかく直線にならないように曲線の模様を描きました。
模様を描くときに、同じような大きさや形の模様を隣接させないようにするのもポイントです。意図して隣の模様と大きさや形の違う模様を描くとそれっぽくまとまります。


最初はおっかなビックリやっていた迷彩塗装ですが、
サイド部分を迷彩塗装する頃にはすっかり慣れて、楽しむ余裕が出てきました。

多少の色のムラがあったほうが、迷彩模様として味が出るようです。迷彩塗装は塗るというより描くという意味合いが大きい作業でした。
迷彩塗装の完成です。


一時はどうなることかと思った青い迷彩ですが、
塗装し終わってみると、
そんなにヘンじゃない…でしょ?


寒冷地という設定にして、
雪のベースを作ってみようか?と考えています。
この日の作業は、これで終了!次回はウェザリングを行います。
 

実はこの作業公開日には見学者のみなさん以外にも、いろいろなお客様がいらっしゃいました!


いつものじょいほび!スタッフさん以外の、
ヤマシロヤのスタッフさんが見学に来ました。

6階のホビーフロアのスタッフさんは、よく顔をあわせるのですが、他のフロア担当のスタッフさんとはなかなかお会いすることができないのです。

見つめられるとドキドキしますね。
 
 
そしてこの日は戦車模型の専門誌、月刊アーマーモデリング誌取材の日でもありました。


アーマーモデリングのスーパーバイザーで、戦車模型のプロモデラーでもある、土居雅博先生が来てくださいました。

迷彩塗装についてのアドバイスなどもいただき、
無事に作業を進めることができました。


また、その後土居さんと見学者の方々との交流もあり、この日のじょいほび!は一段とにぎやかになりました。土居さん、ありがとうございました。

この日の様子はアーマーモデリング2005年5月号の『オオゴシ*トモエの戦車模型もいかがですか?』のページに掲載されています。



そして、アーマーモデリングでも悪役1号の製作が決定!月刊アーマーモデリングはより深い戦車模型の知識や、楽しさを知るのにオススメの雑誌です。

じょいほび!とあわせてぜひお楽しみください☆
 
じょいほびカラーの悪役1号完成!


塗装終了!これで完成か?はやっ!!


イヤイヤ、戦車模型の楽しみはこれからです。
ウェザリング(汚し塗装)を施して、
使い込まれた感じを表現していきます。


でも、一体何を使って汚したらいいの?ということで、
次回はマーカーを使ったウェザリングの方法や、
ドライブラシの手順などをご紹介します。


悪役1号編
第3回ウェザリングをしよう!の巻 に続く!
 
 


 
 
じょいほび!企画から誕生したオリジナルツール、
ENJOY HOBBY TOOL'S 新アイテム プラスチック用ヤスリ細、
ヤマシロヤ5階ホビー・フィギュアフロアおよび
じょいほび!ヤスリ通販ページで好評販売中です。

詳しい商品説明はこちら!
 
 

じょいほびTOPへ
 
コラムTOP
 
BACK

※コラム中で紹介されている商品・メーカー・価格等の情報は初掲載時のものです。現状と異なる場合がありますのでご了承下さい。
Copyright (C) Yamashiroya/ オオゴシ*トモエ