ヤマシロヤ模型製作Webコラム『オオゴシ*トモエのEnjoy Hobby!』は、ホビーの楽しさ、プラモデル作りの面白さを紹介するコラムです。みなさんもじょいほび!と一緒に楽しい模型ライフをはじめませんか?
【ガレージキット(レジンキット)製作編 第4回 表面処理の仕上げ
プライマーを吹こう!の巻】

TEXT BY オオゴシ*トモエ
 
ガレージキット(レジンキット)『チョコレート工場長』
軽音堂・臼井政一郎さん作)の製作も今回で4回目。

はやく塗装した〜い!でも、きれいな塗膜を作るためには、
表面処理で手を抜くわけにはいかな〜い!ということで、
今回は塗装前までゴリッと作業します。


前回は、瞬間接着パテ SSP-HGを使用して、
気泡やへこみ、欠けたパーツの修正・表面処理を行いました。

ガレージキット(レジンキット)製作では、
とにかく表面処理が大切!
ということで作業はまだまだ続きます。


今回はさらにペーパーがけを行い、レジンキット用の下地剤、
プライマーを吹いて塗装の下地を作っていきます。
 



 



前回段差などを消す目的で、240番のペーパーがけを行いました。今回は240番のペーパーやヤスリがけでできたキズを消す目的で、400番のペーパーをかけます。

そして、この後吹く下地剤の食いつきを良くする目的で、
全パーツに600番のペーパーがけを行います。
以前にもコラム内で触れたのですが、レジンは塗装するのに適さない素材なので、ペーパーをかけることによって塗料のノリを良くします。

手袋や耳など、つや消しで塗装するパーツは、
600番のペーパーをかけて終了。

顔、カエル(?)など、ツヤあり塗装をするパーツは、
600番のペーパーをかけた後にもう一仕事。
800番のペーパーがけをしました。

今回の製作はツヤを重視しているので、
ツヤあり・ツヤ消し、仕上げの状態によって
パーツの表面処理の作業量を変えてみました。


表面をある程度荒らして、塗料の食いつきを良くする目的もあるので、
あまり細かすぎるペーパーがけは逆効果。今回は800番でフィニッシュ。
プライマーを吹く作業に入る前に、
気泡や凹凸がちゃんと消せているか?
明るい場所でパーツをチェックします。


その後クレンザーでパーツを洗います

もう3回くらい洗っているのですが(笑)
ペーパーがけの削り粉や、手の油、
離型剤を落とすためです。念には念を入れて……ね。


クレンザーをしっかり洗い流して、
パーツを乾燥させておきます。
 


プライマーを塗装する前に塗装後の組み立てのために、
軸を通す作業を行います。

ペーパーがけを行っている最中などに、
両面テープなどを使って、パーツ同士がピッタリ合うか?
などの確認はしていたのですが、
ちゃんと組み立てるのははじめて。ドキドキしますね。


真ちゅう線やアルミ線の軸を通して、
仮組&負荷のかかる部分を補強していきます。

塗装後に瞬間接着剤などでくっつける方法もあるのですが、仕上げの段階で失敗するとコワイということと、じょいほび!では長時間展示をするので、塗装前にこの作業をすることに。
 
使用するもの


真ちゅう線またはアルミ線

金属用ニッパー

ピンバイス

瞬間接着剤


今回使用したのは真ちゅう線(0.8ミリ)です。
 
ピンバイス(ドリルの刃は0.8ミリ)を使用して、
軸を通すための穴をあけます。


薄いパーツは貫いてしまわないように
注意しながら作業します。


固定するもう一方のパーツにも、
穴をあけます。
雑誌などに掲載されている、
一般的なフィギュアの作り方だと、
組み合わせるパーツがずれないように、
慎重に行わなければいけない作業なんです……が、

今回製作しましたチョコレート工場長さんのキットは、
分割されているパーツにガイドとなるしるしがついていて、
かなり簡単にアタリをつけることができました。



「だいたいこのへんかなー?」と、適当に穴をあけて、
真ちゅう線ですんなり固定できちゃいました。

あんまり参考にはならないかも知れません。ごめんなさい。
いつかじょいほび!で、ヒトガタのキットを製作する時には、
もっとポイントや注意点をご紹介できると思います。


真ちゅう線などの軸を通し、
金属用のニッパーでカットします。


プラモデル用のニッパーでカットすると、
刃がボロボロになります。
必ず金属用のものを使用しましょう。
 
最後に軸の周りに、
瞬間接着剤を少量流し込んで固定します。


この軸を通す作業を行っておくと、
パーツに固定した軸のおかげで、
塗装時にもち手に固定しやすくなります。

写真のように、軸の部分を持ち手のクリップにはさんで塗装します。


1箇所だけではぐらぐらしてしまう場合は、
塗装の時だけ2箇所に軸を差し込んでおく方法もあります。


 

プライマーって何?

レジンキットの下地剤です。塗料の食いつきを良くしたり、
サーフェイサーの役目(キズや気泡を見つけやすくしたり、キズ埋め効果)があります。


どうして下地剤を吹くの?
コラム中で何度も繰り返しているように、レジンキットはあまり塗装に適さない素材ということもあり、
プライマーは重要な役割を果たします。

プラモデル製作の際には、下地剤のサーフェイサーはほとんど吹かないオオゴシは、
レジンキットの場合も塗料の食いつきをよくするためだけなら、
表面処理をしっかり行えばいいのでは?と考えていたのです。

しかし、下地剤を使用したほうがよい大きな理由が発覚。

表面処理をしっかりして離型剤を落としたり、表面を荒らして塗料の食いつきを良くしても、
時間が経過するとレジンに含まれている溶剤が浮き出てきて、
塗料がはがれやすくなることがある
そうなのです。

時間が経って溶剤が浮き出してきても、下地剤で覆ってフタをしておけば、
塗膜に影響を与えずにすむというわけなんですね。


どんなものがあるの?
今回じょいほび!で使用したもの、模型ショップで手に入りやすいもの、
プロユースのものをピックアップしました。


造形村 GKサーフェイサー
はだ色Ver.
1,029 円(税込)
造形村(ボークス)



Mr.レジンプライマー・サーフェイサー
(ライトグレータイプ)
735円(税込)
GSIクレオス



サフレス専用下地
フィックスプライマー
左:つや消しブラック
右:つや消しクリアー
2,940円(税込)
(株)大阪プラスチックモデル

コスト面や手に入りやすい商品という点では、
GSIクレオスのMr.レジンプライマー・サーフェイサーがお手頃かと思います。

今回のじょいほび!で製作したチョコレート工場長のキットは、肌色の面積が多いので、
造形村(ボークス)GKサーフェイサー はだ色Ver. を使用することにしました。

サフレス専用下地フィックスプライマーは、知り合いのプロのフィギュアペインターの方から、
これいいですよ〜とおすすめされた商品です。クリアーがあるのがいいですね。

他にもいろいろな下地剤が販売されていますので、作るものによってセレクトしてくださいね。

※レジン、金属など使用できる素材が記載さているので、商品説明をしっかり確認してくださいね



レジン用下地剤・プライマーを吹こう


レジンキット用の下地剤を吹きます。

まずはパーツのホコリを掃います

ハケや筆などで掃った後、
エアブラシのエアだけを吹きつけ、
細かいホコリを飛ばします。
缶スプレーはフタをしたまま、2分くらい
よーく振って中身を攪拌しておきます。


缶スプレーの吹き方はこちらを参考にしてください。


ここで注意!
缶スプレーによって、噴射される塗料の量が違います
試し吹きをして確認しましょう。
↑多く吹きすぎて失敗しちゃいました。


パーツと缶スプレーの距離は、
トップコートより近い10センチくらいです。
一度にふきつける時間を短くして、
薄い塗膜を作るように心がけます。


1回目は入り組んだ箇所を中心に吹きます。
少し色がついたら乾燥させます。

一度に厚吹きするのはやめましょう。
塗料が垂れてしまったり、
モールドも埋まってしまいます。
 
チョコさんはパーツが大きいので、
頭のパーツはどう塗装しようかちょっと迷いました。

結局むんずとつかんでワイルドに塗装しました。


※再販されたチョコレート工場長さんは、
帽子パーツと顔のパーツが分割されています。
そっちの方が断然楽〜!!
塗装して、乾燥してを6.7回繰り返し
プライマーを乗せていきます。

途中、まだら状態なので、早く均一に塗装したくて、
ついいっぱい吹いてしまいそうになるのですが、
そこはぐっとガマン。


吹き始めと吹き終わりは、
噴射される量や塗料の状態が不安定なので、
パーツにかけないようにします。


吹き口に塗料がたまると、
ビチャ!っとパーツにかかってしまうことがあります。
吹き口はこまめにぬぐうようにしましょう。


万が一吹きすぎて、
サーフェーサーが垂れてしまった場合は、
完全に乾燥するまで待ちます。
ココであわてていじると大変なことに。


乾燥したら、1000番のペーパーで、
厚くなった箇所を削って、再びプライマーを吹きます。





パーツの角度を変えて、全体を均一に塗装します。


顔や髪の毛のパーツは入り組んでいるので、
特に注意しながら吹きます。
プライマーを吹たら、パーツの状態を確認します。

一生懸命に表面処理をしても、
気泡や傷が見つかったりする場合があります。

もう少し丁寧に表面処理しておけば……と、
過去の自分を呪います。

そんな時は、振り出しにもどる。
前回行った手順で気泡を埋めたり、
ペーパーがけをして下地剤を吹きます。

最後にもう一度パーツをチェックして、
きれいに仕上がっていれば
プライマー(サーフェイサー)吹き完了です。


サーフェイサーなどは粒子が大きく、
空気中に舞ってしまい、
机の上や床がザラザラになることが。
掃除も忘れずに……


次回はいよいよ塗装に突入。

どうせやるなら、じょいほび!っぽく、
これまでのフィギュアの塗装法とは違った、
女性の視点で塗装したい!ということで、
プロのメイクさんにアドバイスしていただきながら、
お化粧の手法でフィギュアをメイクアップしていきます。

ガレージキット(レジンキット)製作編
第5回 フィギュアの塗装をしようの巻 に続く!


(C)西E田 コアマガジン
 
 


 
 
じょいほび!企画から誕生したオリジナルツール、
ENJOY HOBBY TOOL'S 新アイテム プラスチック用ヤスリ細、
ヤマシロヤ5階ホビー・フィギュアフロアおよび
じょいほび!ヤスリ通販ページで好評販売中です。

詳しい商品説明はこちら!
 
 

じょいほびTOPへ
 
コラムTOP
 
BACK

※コラム中で紹介されている商品・メーカー・価格等の情報は初掲載時のものです。現状と異なる場合がありますのでご了承下さい。
Copyright (C) Yamashiroya/ オオゴシ*トモエ