ヤマシロヤ模型製作Webコラム『オオゴシ*トモエのEnjoy Hobby!』は、ホビーの楽しさ、プラモデル作りの面白さを紹介するコラムです。みなさんもじょいほび!と一緒に楽しい模型ライフをはじめませんか?
【第10回 塗装をしよう!の巻 前編 グラデーション塗装】
TEXT BY オオゴシ*トモエ
みなさんこんにちは!めがねっこオオゴシ*トモエです。

萌えの要素を! えー、眼精疲労です。
長時間の塗装で、まばたきを忘れ、コンタクトがぼろーんと落ちました。
そんなわけで、めがねです。自業自得です。

今回は塗装を行います。
最初に提案したプラン(第5回参照)の通り行いたいと思います。

塗装の手順はいろいろな方法があると思うのですが、
全体の印象がつかみやすいので、
面積が広い色から塗っていこうと思います。

前半では白いパーツの塗装、
グラデーション塗装の過程を中心にお見せします。
 

羽のパーツを塗料しよう!


最初は前回下地を塗装した、
羽のパーツを塗装します。

下地の青の上に白を重ね、
グラデーション塗装を行いたいと思います。

かなり大きなパーツなので、ホコリがつかないように、気をつけて塗装します。
 
 
塗装するのは、ミスターカラーの白です。

白は他の色の影響を受けやすい色なので、塗料を入れる前に薄め液で一度うがいをし、洗浄します。

前回使用した塗料が残っているかもしれないので、
念には念を…です。

適正濃度に希釈して、カップにそそぎます。
グラデーション塗装は色を吹き重ねていくので、
塗料の希釈濃度は4倍とかなり薄めです。
 
 
わわ!やってしまいました!!

エアブラシに塗料を入れて、
薄め液で濃度調整をしていたらこんな状態に。
表面張力まで起きてます。

これでは、うがいをして攪拌すると、塗料があふれてしまいます。

一度中身を出して、もう一度こぼれない量をカップに入れます。


GSIクレオス
Mr.カラー
レベリング薄め液
945円(税込)
レベリング薄め液って普通の薄め液と何が違うの?
塗料を薄める際に、レベリング薄め液を使用します。
このレベリング薄め液は、エアブラシ塗装専用薄め液で、
主にツヤあり塗装の際に使います。

…上記のような情報は知っていたのですが、通常の薄め液と、レベリング薄め液の違いって何?とずーっと疑問に思っていたので、この際ハッキリさせよう!と、クレオスさんに再び質問してみました。
・リターダーが入っている
塗料の乾燥を遅らせるリターダーが入っているので、カブリを防いだり、塗料のノビがよくなり、塗膜がより平らになりツヤが出る。
・塗料を溶かす力が通常の薄め液より強い
塗料を溶かす力が強いので、塗料の粒子が細かくなりツヤが出る。

ビン入りのサーフェイサーや通常の塗料も、粒子が細かくなり、
きれいに塗装が出来るのだそうです。長年の疑問がすっきりしました。

羽のパーツの塗装開始です。
グラデーション塗装を行います。

下の左側の青いパーツを、右側の状態にします。

面の中心が最も明るく、エッジ(パーツの端っこ)に行くにしたがって、ほんのり下地の青い色を残して塗装していきます。

均一塗装(ベタ塗り)では出せない、微妙なニュアンスや、色の情報量を増やし、印象的な仕上がりにします。
まずは第一段階。左の写真のように、パーツのそれぞれの面の真ん中に、色がつくかつかないかくらいの少量を吹きます。

ポイントは真ん中に吹くこと、そして、エアブラシのエア圧を下げることです。

塗料もかなり薄いですし、色がほとんど付きませんが、色がついたかつかないかくらいで大丈夫です。

この段階は、あくまでとっかかりなので、乾燥させて次の塗装の時にほんのり白くなるくらいでちょうどよいのです。
逆にこの段階でクッキリ白くなるようなら、塗料の濃度が濃い証拠です。
 
 
最初に真ん中に吹いた部分を、一回り、二回りと大きくしていき、少しずつ白の面積を広くしていった状態がこちら。

少し塗装したら乾かして、また塗装して…を繰り返します。

これで4回くらい塗装しました。

ポイントは塗り広げていく作業の最初と最後は必ず真ん中で終わることです。
こうすることで「まだら状」になるのを避け、常に真ん中は一番明るい状態をキープすることができます。
 
 
面の真ん中からスタートし、今まで塗った場所を塗り広げ、面の中心で終わる作業を繰り返して、白に近づけていきます。
下地塗装の時と逆ですね。

先ほどの状態からさらに白を重ねること2回。
かなり白がハッキリしてきました。

まだ青と白の部分がハッキリしすぎなので、
もう2、3回同じ作業を繰り返します。
 
 
淡いグラデーションができたら、最後にエア圧を高くして、全体にふわっと白を吹きかけます。

こうすることで、白と青の境目がなじんで、
グラデーションがより自然になります。

下がグラーデーションの完成形です。
写真ではほとんど見えないのが残念ですが、
影になっている部分に青さが残っています。
 
塗装途中にスタンドの下などの
明るい場所で、パーツの状態を確認しましょう。

ホコリは付いていないか?
グラデーションの具合はどうか?
など、よーくチェックしましょう。

特に白い塗料は、塗った直後は白くても、
乾燥すると、色が一段沈んで、
落ち着いた色味になってしまいます。


そのことを考慮して、乾燥した状態の色を見て判断します。
 
 
ぎゃー!!ショック!!!

塗装中にパーツを落として、
ホコリが… アレ?確か前回も… デジャヴ?
しかも羽のこの部分はめちゃくちゃ目立つ!!

最初からやり直しか?!と、ガッカリ…

するのはまだ早い!
とりあえず、乾燥するまで待って、
1000番のペーパーで表面のホコリを削ります。
 
 
下の塗料はなるべく傷つけず、
やさしく削ります。

表面の塗料が少し削れたものの、
ヤッタ!!ほとんど目立たない!!

この上から塗装して、リカバリーします。
フテ寝しなくて済みそうです。

こういった失敗を繰り返して、人は大人になっていくんですね…。
えーっと、これからは未然に防ぐ方に力を入れます。ハイ。
 
 
他のパーツも同じように塗装します。


他のパーツを見比べて、グラデーションの状態が均一になるように心がけます。


特に左右同じ形のパーツがある場合は、
グラデーションの状態が同じになるようにしましょう。
 
 
羽のパーツの塗装が完了しました。


最後に仮組みして、
もう一度グラデーションの具合を確認します。


うひー!長かった。


本体の白い部分の塗装に入ります。
 

ほんのり紫色のパーツを並べます。


写真ではほぼ白ですが、
作業公開で直接パーツを見た方たちは、
なんでピンクなの?と、
ちょっと不安になっていた模様。


ダイジョウブ、これから白くなります。
 
 
これから塗装するパーツをぜんぶ並べると、
白い部分が一番面積が広いだけあって、
たくさんスタンドを占領しています。


白い部分多いなぁ…。
 
 
この白い部分も、羽の部分と同じく、
真ん中から塗装していきます。


ほとんど目立たないと思うのですが、
薄い紫→白のグラデーションです。


Mr.カラーのホワイトだけでも、レベリング薄め液を使って、薄い濃度で塗装していくと、結構ツヤツヤになります。
 
 
オオゴシ流としては、最後の仕上げの白を吹くときに、ほんのすこし(1.2滴)、クリアを混ぜます。


「いいツヤがでますようにー」と、あんまり深く考えずにやっていたことなのですが、作業公開を見てくださった方から質問をいただいて、答えるのにしどろもどろ。


なんていうか…
おまじないみないなものでしょうか?
と苦笑いしながら答えました。

 
 
光沢のある白いパーツの塗装完了です。


これからトップコートを重ねて、
さらにツヤツヤにする予定なのですが、
その前に、他の部分の塗装を行います。


白を塗装するのにかかった時間は約12時間。
んーさすがに白は時間がかかるなぁ。


色の部分は、
もう少し短い時間で塗装できるかな?

 
次回に備えて、赤、青、黄色の部分の色を選んでいきます。


この色味ですべての印象が決まってしまうといっても過言ではありません。


ヤマシロヤカリスマ店員、たまさんのアドバイスも伺いつつ、色を選んでいきます。


リアルに真剣に悩んでいます。
カメラそっちのけです。
作業公開日に、
ヤマシロヤにガチャピンが来ました!
休憩時間にいそいそと会いに行きました。

息抜きイベントも存分に楽しみつつ、製作は進みます。


【じょいほび!第11回】
塗装をしよう!の巻 後編 はこちら!
(C)創通エージェンシー・サンライズ  (C)GSIクレオス
 
 


 
 
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